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◆◇◆ 五津井☆奮戦記・第一部「旅立ち編」 ◆◇◆


【第三章「邂逅! 恐怖の赤ふん漢ッ!」】


●第8話:「湖畔のヒーローいらない子」


 夜の湖に叫喚が宙を舞う。

「コォォォォォォォォリィィィィィ……ッ!!! す……ッ!!!!!」

「食い逃げじゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………………っ!!!!!!!!」

 ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ………………っ!!!!!!!!

「おぶはぁっ!!!」

「ウリーーーーーーーッ????!!!!!」

 天高く吹き飛んだウリーの体は、奇麗に弧を描く。

 激突の寸前、ウリーが何かを叫んだように思えたが、当然コーリには轟音で聞こえない。
 衝撃で発生した膨大な水しぶき。その水圧になんとか耐えながら空を見上げるコーリ。何がなんだかわからにゃい。

 右脇を通り過ぎる赤い何か。
 一瞬人影にも見えないことはなかった。

 その影はそのまま湖岸を突っ切り、勢いよく森の中に突貫する。
 バキバキバキっと、遠くで何本もの木々が倒れる音が響き渡り、やがて静寂。

 全ては一瞬のことだった。

「ぶわっ!! う、ウリーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」

 荒ぶる水しぶきと波に翻弄されつつも、コーリは宙を見上げ声を張り上げる。
 天高く湖岸側へと舞い上がったウリーの体は、どうやら頂点へと達したようだ。
 まるで高度の浮遊の魔法でもかかっているかのように、その体は空中に停滞している。

 真下には土の地面。後は勢いよく叩きつけられるだけだ。

「(このまま落ちたら、ウリーが死んじゃう……っ)」
 そうでもなくとも重症だ。
 コーリは慌てて、ウリーを助けに行こうとするがいかんせん水の中。水の抵抗でどうやっても間に合わない。

「魔法で地面を爆破して、その衝撃で湖に落とせたら……っ!!」
 コーリはそう考え、急いで魔術の式を唱える。

 しかし果たして間に合うのか?
 魔術の成績を常にトップクラスで修めてきたコーリだが、流石に今回ばかりは自信がない。

 続きはCMの後!! なんつってなんつって!!

「くっ……間に合って……っ!!」
 今まで生きてきた中でも一番ではないかと思える速度で、術式を胸の前で組むコーリ。その動きも正確だ。
 ウリーの体はスピードを増し地面へと落下し始める。激突までもう数秒もない。

「間に合わない……っ!!!」
 ようやく術式の回廊を魔力が通い始め、その力を発揮し始めた爆発系の魔法。
 だが、発動するころには間に合いそうにない。
 最悪、激突どころかウリー自身に魔法が直撃してしまう。

「う、ウリーーーーーーーッ!!!」

 コーリの悲鳴が学園裏中に響き渡る。
 もうダメだ、ウリーの葬儀にはどういった服を着ていこうとか頭の中でシュミレートしていたコーリの耳元に、誰かが囁いた。

「任しておきな、仔猫てぃあん」

「え?」

 ザバァァァァンッ!!

 声のした方向にコーリが視線を向けると、水面から何か黒い影が飛沫を撒き散らしながら飛び出した。
 その影は迷うことなく、ウリーの方へ向かっている。

「な……っ!?」
「ゲーーーーーーーーーーーーーーーーーーーートォォォォォォォォォォォォォ……ッ!!!」

 コーリが言葉を発する暇もなく、影は最早絶望的に不時着確定だと思われたウリーの体を受け止める。
 そして影は思いっきりコーリのいるほうへとウリーを豪快に投げつけたっ!

「いっちぬけたぁぁぁぁぁぁぁ…………………………っ!!!!!!!」

 ビュウンッ!!!! びしゃぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!

 目を真ん丸く見開いていたコーリのすぐ横をウリーの体が一瞬で通り過ぎる。
 そして彼女の背後で水に突っ込む音がした。
 あまりにも一瞬の出来事。
 コーリはピクリとも動くことができない。

 つー……。

 白く奇麗なコーリの頬には、一筋の赤い筋が流れていた。

「ぐあっはっはっはっ!!!! 人助け人助けっ!! 一日一善、ナイス俺っ!! うわっは――――」

 ドゴーンッ!!

「ばさらッ?!」

 そしてコーリの術は発動し、ウリーを救出(?)した声の主を爆破した。

 ………………………
 ………………
 ………
 …

 ミルドラン学園の校舎裏は軽く吹き飛んでいた。
 “憩いの場”と呼ばれていたあの場所は、得体の知れないシルエットの突撃で木々がへし折れ、コーリの魔法で辺り一面黒ずみ、煙を吐いていた。

 見るも無残な姿である。

 そんな今なお晴れない煙に覆われた爆心地にて、一人の男が大の字で倒れていた。
 今はその爆発ですすけてしまっているが、本来なら青い鉄製の鎧、どちらにせよボロボロの汚い茶色なマント。
 汚れていようがいまいがあんまり美しくはない巌のようなごつい顔に、すすで曇った四角い眼鏡。背中には大剣を担いでいる。

 我らがヒーロー! 五津井岩面だッッ!!

「ぐ……むぅぅぅぅ……っ」

 一瞬だけ意識を飛ばしてしまったようであったが、すぐに目を覚ますとむっくりと上半身を起こす。
 あくまでもウリーを助けるために放った爆破魔法なので、その威力は比較的抑えられていた。
 とはいえ、一応しっかりとその身に“直撃”しており、普通の人間なら無事では済まないハズなのだが……。

 驚異的な頑丈さと回復力! そのスペックは既に人智を超えている。

「むぅ……誰だここは……? 私は神か……?」

 よくわからない寝ぼけたことを呟きながら、彼は立ち上がる。
 やはりその身に怪我はないようだ。頭の中身は重態だが。

「ああ、そうか。私は創造神ダグラスティン様に密命を賜り、この地上に遣わされたアルティメットエンジェル……」
 ふらふら〜と空ろな視線が宙を泳ぐ。
 ちなみにこの世界にそんな名前の神様も役職もない。

「む……なんだやつ等は……?」

 ようやく五津井の周囲を取り巻く煙が晴れる。
 その煙の先には、意識不明のウリーを担いで湖から出てくるコーリの姿。
 まだあどけなさの残る彼女の顔はとっても可愛らしく、湖の水で濡れに濡れた制服から描かれる稜線は、未発達ゆえのなんともいえないエロティックさを醸し出していた。

「うっほほうっ! い、いけません、主よッ! こ、これは……むむ……い、イヤらしい……神よ……っ」
 まだ頭の中はどうしようもない悲劇なままだったが、彼の性欲自体はしっかり喜劇していた。
 目を見開き、口を醜く左右へ歪め、胸の手前で十字を切る。ちなみに彼は特定の宗教に属しているわけではない。

「こ、こいつは参った参ったねぇっ!! けしからんんん! 実にけしからああぁああぁあああぁあんッ!!!!」
 徐々にリピドーがリミットにライズしつつある彼の視線の先では、彼曰く実にけしからん格好のコーリが湖から完全に這い上がり、倒れたウリーの胸を押している。
 白目を向いて、だらしなく地面に横たわっているウリーの口からピューピューと水が噴出す。

「ウリー……ウリーッ! 大丈夫ッ! 目を覚まして……ッ!」
 必死に気絶しているウリーの意識を覚まそうとコーリは、ウリーの胸をぐいぐい押しまくる。
 まぐろ状態のウリーの口からは、ポンプのように水が出続ける。

「主よ……」

 ………………………
 ………………
 ………
 …

「ん……あ……こ、コーリ…………?」

 コーリの健気な介抱が効いたのか。
 ようやくウリーの意識が回復する。

「! ウリーッ! 目が覚めた?!」
 今にも倒れるんじゃないかというぐらい青ざめていたコーリの顔が喜びに満ちる。
 その目は美しいほどに潤んでいた。

「ぼ……僕は……」
 むくりと上半身を起こし、ウリーは意識を失う直前の出来事を思い出そうと必死になる。

「確か……湖に落ちて……コーリが先に岸へ行って……ん?」
 なんとか意識を失う前の記憶を手繰り寄せているようだが、どうやらうまく戻らないらしい。
 ウリーは困ったように首を傾げる。

「(なんかすごいことを言いかけたような気がするんだけど……あれは……)」
 しかし、そんな彼の回想録も長くは続かなかった。

「むぐぅっ?!」
 嬉しさでいっぱいになったコーリに突然抱きしめられたからだ。

「コ、コーリッ?! な、何を……?」
「よかった……よかった……生きてた……生きててよかったぁぁぁ……ッ」

 思いっきり抱きしめられ、その表情は見えなかったが、彼女の言葉が涙声であるというのだけは理解した。

 しばしば鼻をすする音が聞こえる。
 しかしそんなこと以上に――
 密着したコーリの――
 やわらかいアノ感触と――
 鼻腔をくすぐる彼女のドッキドキする匂いの方が――

「…………ッ」

 ――ウリーにとっては死活問題だ。

「え、ええと……」
 とりあえず、目の前のコーリに脳みそが蕩けそうになり、彼の衝動が赴くままに彼女の体を抱きし――

「導きたまええええええええええええええええええええええええええ…………………………ッ!!!!!!!」

 バゴーンッ!!

 ……める前に何かが突撃してきた。

「んなッ?!!」
「きゃあっ?!!」

 ウリーは自分でも信じられないほどの超反応でコーリを押し倒し庇う。

「ぐべらっ?!!!」

 ざばぁぁぁぁん!!

 本日何度目になるのかわからない水飛沫の音が、ウリーの背後を越え聞こえてくる。なんとか回避できたようだ。

「な、なに、今の……?」
 自分が押し倒されている状況がどんだけイヤンなものかに気付かないまま、コーリは目でウリーの背後を追う。
「さ、さぁ……? でも、今のって……」
 恐る恐る振り返るウリー。相変らず、こちらも今のオイシイ状況に気付いていない。

「! あ、あれがさっきウリーを吹き飛ばした……っ」
「ぎゃっ!」

 ドンッとウリーを突き飛ばし、立ち上がるコーリ。
 彼女の脳内では、先ほどまでの顛末が高画質で再生されていた。

「いってて……僕を吹き飛ばしたって……」

 実のところ、吹き飛ばされた当のウリーにはいまいち実感がない。
 彼的には、気がついたら宙を舞っていたという感じだ。
 そこからの記憶はもうほとんどない。

 それよりも、今コーリに突き飛ばされたことのほうがリアルなものとして感じる。
 ちょっとだけ傷ついている。

「そ、そうなの……。それにアイツ以外に、もう一人森のほうに突っ込んで行ったわ……。も、もしかしたら例の《魔王》かも……っ!」
「ま、《魔王》……?」

 コーリの言葉に、サーッと血の気が引くのを感じるウリー。
 さすがにそれは早とちりだ、とは言えなかった。
 目の前に広がる倒壊した森の入り口付近の惨状が、その言葉を言わせないのだ。

「で、でも狙っているのは王城だって……っ」
 避難した体育館で、伝令に来た兵士はそう言っていた。
 やつらの狙いはマジで王城だろう、と。学園はガチで安心だからOKだぜ、と。パネェッ、と。

「そ、そんなのわからないわよっ! 現に、あいつら水の上を走ってきてたんだからっ!」
 一応、その魔王(?)が、トマト煎餅完成間近のウリーを助けたりしたのだが、コーリはお構いなしに術式を組み始めた。

「水の上を……? で、でもなんか『食い逃げ』って聞こえた気もするんだけど……」
 油断なく湖の方へ視線を向けるコーリに、ウリーは青ざめつつも少しだけ違和感を覚えていた。
 だってここ、魔王が侵入したって言われている西門と全く正反対の位置じゃない……?
 わざわざ後ろに、しかも山脈側から来るって変じゃない??

「と、とにかくコーリ。構えるよりも早くここから逃げて先生や兵士達に言ったほうがいいと思うよ?」
 魔王と聞いて一瞬混乱しかけたものの、比較的ウリーは徐々に平静さを取り戻していた。

 ほぼ間違いなく、この騒ぎを聞きつけた学園の兵士たちがまもなくやってくるだろう。
 彼らに事情だけ話し、後のことは任せればいいのだ。到底、今の自分たちがどうこうできるものなどではない。

 ならば、この場は一刻も早く離れ身の安全を優先するべきである。
 いまだ混乱状態にあるコーリを宥めながら、彼はできるだけ早く、しかしなるべく丁寧に説明した。

「あ、そ、そうね……っ! う、うん。その通りだわっ!」
 割と早くウリーの言葉に理解を示すコーリ。その姿に心の底から安堵する。
「うん。まだアイツが湖から出てくる前に……」
 よかった、後はさっさとこの場を離れるだけ――

「おっもい出したーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
「ひぃっ?!」「きゃああっ!」

 コーリの手を取り、まさに駆け出そうとウリーがした瞬間。
 ザザザバーンという音と共に男の影が湖面の下から飛び出す。
 そのまま、シュタッとウリーとコーリの前に向かい合う形で飛び降りた。

「ふぅ……俺はなんてことを忘れていたんだ……できれば一生忘れていたかった……」
 恐怖で声も出ない二人の前に立ち、やれやれと呟くごつい顔面の男――五津井岩面。

「う……あ……」「い、いや……」

 あまりの恐ろしさで震えるコーリを、ウリーは自分の身を前に出し庇う。
 無論、彼の足もまたガタガタいっていた。

「彼奴は……あの森の奥か……感じる……アイツの波動を……」
 しかし、五津井はそんな二人に目もくれず、顔だけを森の方向へ向けていた。

「……かなり近い。クソ、奴めっ、何ゆっくり歩いてやがるッ?! いつでも狩れるってか? シットッ! いい度胸だ……ッ」

 五津井は忌々しげに唾を地面に吐き捨て、ギラリと背中のゴツイカリバーを引き抜く。
 その月夜に照らされた白刃には、大きく黒い文字で「ごつい」と書かれている。

「ひっ!」「う、うりぃぃ……」
 当然、五津井の剣は“奴”相手に対して抜いたのだが、向かい合っている都合上、その刃先はウリーたちに向けられていた。
 思わずウリーはたじろぎ、コーリはきゅっとウリーの制服の裾を握る。

「――君たち」
「「?!」」

 今まで完全に二人の男女をシカトしていた五津井が、いきなり彼らのほうに顔を向け声を掛ける。

「? どうしてそんなに怯えてるんだ? ああ、お前たちにもわかるのか、“奴”の波動を……」
 明らかにウリーたちは、五津井に対して怯えているのだが、五津井は勝手に勘違いして、うんうん頷く。

「そうか、なら話は早い。君たちは見る限り、この学園の生徒みたいだな?」
 油断なく彼らに剣を向けたまま、五津井は尋ねる。
 その光景はどうみても脅しているようにしか見えない。

「は、はぃ……」
 引きつりながらも、なんとか答えるウリー。これが魔王なのか……なんていう威圧感だ……半端ない……やべえ……。
 初めてみる魔王に戦慄していると、急に五津井の表情はパァッと満面の笑顔に変わる。やっぱり気持ち悪い。

「そうかそうかっ! よし! ならば我らは同士っ! 共に“悪”と戦おうぞっ!!」
 構えを解き、すっとウリーに向けて右腕を差し出す五津井。
 来るかっ、と身構えたウリーとコーリはそんな五津井にきょとんとする。

「はい?」「ど、どういう……?」
「俺の名前は、五津井。五津井岩面。故郷の村では、亡国の貴公子“デリシャス☆五津井”と呼ばれていた」
 状況に追いつけない二人にお構いなく、ペラペラと己の紹介をする五津井。気味の悪い笑顔を絶やさずに。

「え? あ、はい……え、ええと、僕はウリー。ウリー=コスターって言います。で、彼女がその僕の幼馴染のコーリ=シュークです……」
 何がなんだかよくわからなかったが、とりあえず勢いでコーリの分も含めて自己紹介をするウリー。

 そしてそれと同時に差し出された五津井の右手を握り返す。
 その手はやっぱりごつかった。しかもちょっとねっとりしていた。

「(な、何丁寧に返しているのよっ、ウリーッ?! ちょ、ちょっと怪しいわよこいつ……ッ!)」
「(ご、ごめん。つい……)」
 軽率なウリーの行動に、先ほどとは打って変わって今度は冷静にコーリが小さな声でたしなめる。バツが悪そうにウリーも小声で謝る。

「ウリーにコーリか……。うむうむ。うむうむ。可愛らしい“お嬢さん”方だ。今日は俺にとってサイコーにツイている日かもしれんなっ!」
「なっ?!」「ぷっ!!」

 ぐわっはっはっと、下品に笑う五津井。
 そりゃもうとてもすごくかなりに。
 ブンブンブンと、勢いよくウリーの腕を振る。

 その顔はエロ親父以外の何者でもない。
 しかし、ウリーたちはそれどころではなかった。

「お、お嬢さんって、ぼ、僕のこと……っ?!」
「ぷっ、くくっ、うくく……お、お嬢さん、て……っ」

 さっきまでの警戒ムードはどこへやら。
 五津井のある意味、的を射た発言に、ウリーは顔を真っ赤にし、コーリは笑いをこらえようとがくがくと震え始める。

 ミルドラン学園の制服のデザインは、当たり前だが男女別々にコーディネートされている。
 しかし、初見の五津井にとって、現在が夜で周囲が暗いのと二人の服が湖の水で濡れてよくわからなくなっていたのが相まってか、見事に勘違いしてしまっているのだっ!

「いやはや、よきかなよきかなッ! ちょっとこれっ、俺様両手に花?? うっふふふ☆」
 らんらんぷ〜、とその場でスキップし始める五津井。
 その顔からは、先ほどまで話していた本題のことなど、どこか遠くへと吹き飛ばしてしまったことがよくわかる。

「あ、あははは……っ!! も、もうダメっ、面白すぎっ!! りょ、両手に花って……っ!! くっ、うくくくく……っ!!」
 耐え切れないとばかりに大爆笑するコーリは、バンバンと、ウリーの背中を叩いている。
 体育館のときもそうだったが、コーリは笑いのツボが多いらしい。

「ちょ、ちょっと、ご、五津井、さん? ぼ、僕はおと……」
「むっ?! 伏せろっ!!!」
 あまりにもの五津井の侮辱に、必死に抗議しようとしたウリーに対して、五津井は慌てて二人を伏せさせる。

「え?」

 ずごぉぉおぉぉおぉぉぉおおおおお…………んっ!!!!

 突然、五津井によって伏せられたウリーたちと五津井の真上を赤い閃光が走った。


<第9話へ続く...>


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